太陽光発電所の売却の流れと手数料

2022年08月25日

太陽光発電所設備を売却する場合、できれば高く買い取ってもらえる業者を選びたいですよね。投資目的で始めたものの維持費が大変だったり、相続で太陽光発電の設備のある家を所有することになり処分を考えたりしているなど事情は皆さんそれぞれあるかと思いますが、売却では手数料といった売却する側で負担する必要があるものもあります。

そこで売却の流れや、高価買取をしてもらうために知っておきたいポイントについて詳しくご紹介します。

太陽光発電

太陽光発電所を売却する流れ

太陽光発電太陽光発電所の買取を行っている業者は多数あるため、まずはサービスを提供している業者を選ぶことが必要となります。自分に合った業者選びのためにもまずは売却までの流れについて詳しく見ていきましょう。

1.発電所の買取サービスを探す【直接買取・仲介の2種類があり】

メリット デメリット
直接買取 売買手数料が不要でお得
一般的に仲介業者より早く売却できる
相見積もりの手間がかかる
仲介業者 複数社から一括見積が取れる 売買手数料が必要
買取先を見つけるまで時間がかかる

太陽光発電所の買取サービスを実施している業者には、大きく分けて「直接買取」と「仲介」の2つがあります。上記の表にもあるように、直接買取にも仲介にもそれぞれメリットとデメリットがあります。早く売却をしたい場合には直接買取がおすすめですが、複数の業者の中からより高く買取をしてくれる業者を選びたいなら仲介業者に軍配が上がります。

ただし仲介業者を選んだ場合、手数料がかかってしまいますので、トータルで考えると直接買取のほうが手元に残るお金が多くなる可能性があります。現状をふまえた上で、自分に合った買取をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

2.査定依頼【複数業者の相見積もりが高価買取のコツ】

査定時に必要な物&情報

  • 発電所の土地の登記簿謄本
  • 発電所設備の保証書
  • 売電実績が確認できる書類(売電明細等)
  • 発電所の仕様書
  • 発電所の保険契約書

買取業者を選ぶ前に、まずは査定依頼を申し込みましょう。相見積もりを実施することで高価買取の可能性がアップします。ホームページでは簡易査定が可能となっている業者がほとんどです。ただしその査定額がそのまま買取金額になるわけではありません。

実際には設置している発電設備の情報(仕様書や売電実績)を書類で確認した上でおおよその買取金額を見積もる簡易査定のあと、実地確認を含め本査定を実施した上で最終的な見積金額が算定されます。仲介業者の場合は、査定に必要な書類を提出するのみ、もしくは査定を実施しないことがほとんどです。

直接買取の場合は、実地確認が行われるのでほぼ買取金額に近い査定結果が提示されます。複数の業者から見積もりを取る場合、実地調査がバッティングしないよう注意しましょう。

3.商談【査定内容の確認or仲介の流れの打ち合わせ】

確認すべきポイント

  • 買取金額(直接買取の場合)
  • 売却先の選定及び今後の商談と手続きの流れ(仲介の場合)
  • 名義変更の費用をどちらが負担するか
  • こちらで対応が必要な名義変更関連の手続

買取を依頼する業者から見積もりを取ったあと、商談に移ります。直接買取の場合は買取の金額も重要ですが、名義変更にかかる費用をどちらが負担するか確認しておきましょう。

また手続きについても代行してもらえるのか、依頼する側が手続きをするのか確認し交渉が必要です。仲介業者の場合は、売却希望金額の交渉をした上で、今後の売却の流れについて打ち合わせをします。

売却先が決まるまでどういった宣伝をしてもらえるか、また仲介手数料についても確認した上で仲介契約の締結を行います。

4.売却先の選定と商談【仲介の場合のみ】

仲介の場合は、契約締結後に売却先の選定を行います。買取をしたいという相手が現れたら商談を行います。商談は仲介業者が代行する場合と、セッティングのみを仲介業者が行い、商談は自分で行う場合と2つのケースがあります。

希望金額を提示できることが仲介の強みですが、太陽光発電所の設置場所や実績、設置からの年数によっては買い手が現れない可能性もあるということを忘れないようにしましょう。この場合は、金額を下げるといった対応も必要になります。

5.売買契約締結

売買契約締結時に必要な物

  • 発電所の土地の登記簿謄本
  • 太陽光発電設備概要書
  • メーカー保証書および工事保証書
  • 発電所の保守管理契約書
  • 発電所の設備保険証
  • 譲渡契約書もしくは譲渡証明書
  • 事業計画認定書
  • 電力受給契約申込書および口座振込依頼書
  • 実印と印鑑証明書
  • 住民票の写し(自分が個人の場合)
  • 履歴事項全部証明書の原本(自分が法人の場合)

直接買取の場合は、商談ののち売却先を選定し売買契約を締結します。選ばなかった相手にはこの時点で断りの連絡を入れましょう。仲介業者の場合は、買い手との商談がまとまった後に仲介業者の立ち合いのもと売買契約を締結します。

どちらの場合も必要となる書類は同じです。土地や設備に関する書類と、売電に関する書類は別々に請求が必要です。さらに業者によって求められる書類には違いがありますので、早めに確認するようにしましょう。

FIT関連の書類である事業計画認定書については経済産業省、売電に関しては電力会社への連絡が必要です。売買契約書については、業者が作成してくれますが、念のため自分で作成する必要があるかどうかを事前に確認しましょう。

6.名義変更手続き【事業計画認定と土地の名義変更が必要】

名義変更が必要な物

  • 太陽光発電所設置時に経済産業省から取得した「事業計画認定(旧:設備認定)」
  • 売電契約
  • 発電所の土地

太陽光発電所の売却時には、あわせて名義変更も必要です。太陽光発電所を設置している土地の名義、売電契約の名義のほか、産業用太陽光発電では複数の名義を変更する必要があります。

設置時に取得した事業計画認定の設置者やメンテナンス契約、メーカー保証、損害保険の名義も確認しましょう。変更には1ヶ月以上かかることもあります。特に土地の名義変更は自力でするのは大変なため、専門家に依頼するか、買取業者に代行してもらうことをおすすめします。

名義変更の流れ

事業計画認定の名義変更

再生可能エネルギー電子申請ホームページ(経済産業省・資源エネルギー庁)にログインしてユーザー登録をした後、旧オーナーのIDでログインして変更認定申請を行う。審査には2~3ヶ月必要。

売電契約の名義変更

売電契約をしている電力会社に連絡し、名義変更を伝える。書類はホームページからダウンロードが可能なので、担当者の指示に従って書類を作成し提出する。

発電所の土地の名義変更

土地の所有者、もしくは法務局での手続きが必要。登記簿謄本の取得、戸籍謄本や住民票、登記関係書類等必要書類の取得と作成、署名をした上で、申請を行う。土地登記簿の名義変更は複雑なため、司法書士等専門家に依頼するのが一般的。

7.入金(=現金化)

売買契約等手続きが完了すると入金が行われます。入金までにかかる時間は、業者によって差があります。仲介業者の場合は、交渉が成立した時点で成功報酬として手数料が引かれるため、実際に入金するまで2週間~1ヶ月かかるのが一般的です。

直接買取の場合は、業者が支払いをしますので、早ければ1週間で入金手続きが完了することもあります。業者を選ぶ場合には、入金サイクルについても確認するようにしましょう。

太陽光発電所の売却で発生する手数料と費用・税金

手数料 費用 税金太陽光発電所の売却の際、忘れてはいけないのが手数料や費用、税金です。特に税金は売却後に請求されることになりますので注意が必要です。そこでどのタイミングで手数料や費用が発生するのか、また税金がかかる場合についても詳しくご紹介します。

【仲介手数料】仲介業者(マッチングサービス)を使って売却した場合のみ発生

仲介業者を利用した場合には、仲介手数料が発生します。仲介手数料は売却した相手から支払われるお金に対してかかりますが、その割合については非公開としているところも少なくありません。

不動産会社が仲介した場合は、不動産取引と同じく売買価格×3%に6万円がプラスされるのが一般的です。仲介手数料は税抜きであることにも注意が必要です。手数料の計算は、定率制に加え、定額制となっていることもあります。

【名義変更費用】登記関連の費用で自分が負担する場合も

太陽光発電所の売却で必要となる名義変更の手続きにも費用がかかります。事業認定計画の変更手続きに関しては、今のところ費用は発生しません。ただし今後変更される可能性はありますので、定期的な確認が必要です。

また、土地の登記の変更には、登録免許税がかかります。売買の場合は固定資産評価額の1.5%と定められています。さらに名義変更では戸籍謄本や住民票といった書類を揃える必要があるため、その費用も必要です。

名義変更は自分でもできますが、手間と時間がかかります。司法書士に依頼する場合は、登録免許税や書類の取得費用とは別に、報酬を支払うことになります。

手続きの内容にもよりますが、8万円~、事務所によっても設定されている報酬には違いがあります。これらの名義変更を代行サービスとして行っている業者もあり、無料で対応してくれることもあるので事前に確認してみるといいでしょう。

【税金】売却益は譲渡所得に該当し所得税の対象

太陽光発電所を売却した際、仲介手数料や名義変更にかかった費用を引いた金額で利益が出た場合には、譲渡所得と見なされ所得税の対象となります。確定申告時に申請が必要となりますので、忘れないように申告手続きをするようにしましょう。

所得税は社会保険料や住民税にも影響しますので、売却で利益が出るかどうかを必ず確認しましょう。利益が出ているにもかかわらず申告しなかった場合は、追徴課税され従来支払う税金に追加で請求されてしまうため注意が必要です。

【重要】太陽光発電所の売却先を選ぶポイント

太陽光発電 業者太陽光発電所の買取を行っている業者は多数あるため、どの業者を選ぶべきか悩むことも少なくありません。自分に合った売却先を選ぶために知っておきたいポイントを3つご紹介します。

1.名義変更手続きの代行の有無・内容・費用【隠れたコスト&手間の温床】

ポイント

  • 太陽光発電所の売却時は事業計画認定の名義変更・土地の名義変更といった手続きが発生
  • これらの代行の有無や代行の範囲、どちらが費用を負担するのかによって売却益から差し引くコストが変わってくる

太陽光発電所の売却で、意外と見落としがちなのが名義変更手続きにかかる費用です。自分ですべての名義変更をしようとすると、時間も手間もかかってしまいます。

業者によって無料、もしくは有料で代行サービスを行っている、もしくは一部だけを無料で代行しているといった違いがあります。代行をお願いして費用がかかったとしても、手間を省けるのであれば必要経費と考えることもできます。

手続きをすべて丸投げ可能で、直接取引なら無料、もしくは仲介業者であれば仲介手数料に含まれている業者を選ぶことをおすすめします。

2.現金化スピード【1週間程度~数か月と差が大きい】

ポイント

  • 契約締結後すぐに入金が行われる業者がある一方で数か月待たされる業者もある
  • 早く現金化したい場合は契約完了後に名義変更の完了を待たずに入金してくれる業者を選ぶとよい
  • 1週間前後で入金が行われるのが「早い」といえる目安

現金化は業者によって大きく違いがあります。最短で1週間で現金化が可能な業者がある一方で、数ヶ月かかる場合もあります。一般的には仲介業者のほうが、買い手が見つかるまで時間がかかるため、現金化まで時間がかかります。

直接買取の場合は、査定後に支払い手続きに入れるため、対応が早いといえます。早く現金化をしたい場合には、契約完了後名義変更の完了を待たずに入金手続きをしてくれる業者を選びましょう。目安としては現金化まで見積もりから1週間前後なら「早い」といえます。

3.査定額と手数料【付属サービスを考慮した総合判断が大切】

ポイント

  • 提示された査定額が高くても名義変更費用などを考慮すると他社を下回る可能性がある
  • 名義変更費用をどちらが負担するのかや名義変更の手続き代行の有無といった付属するサービスを考慮してサービスを選ぶことが大切

業者を選ぶ際、見積もり金額で比較してしまいがちですが名義変更等の代行にかかる手数料を差し引くと思ったほど高い査定額ではなかったということがよくあります。特に名義変更に関わる費用は、依頼する側の負担となった場合には注意が必要です。

売却額が思ったほど高くなかったとしても、自分で名義変更の手続きをしなくて済み、早く現金を手にできるのであれば、メリットは大きいといえます。そのため業者選びでは査定額だけに注目するのではなく、査定から現金化までにかかる時間、自分が負担すべきコストなどトータルで判断するようにしましょう。

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